【編集後記】『VALORANT』のひとつの時代が終わりを迎えた——2月の振り返り

2月は日数も少ない上に、1月のドタバタからいったん落ち着く月なので、なんとなく月日が流れるのが早く感じる月だね。eスポーツシーンも一瞬穏やかになるような気もする。

人生初コロナでビックリ

2月はなんといってもコロナに罹ったことが一番大変だった。インフルエンザよりもましといえばましかもしれないけど、やっぱり味覚+嗅覚が消えるってしんどいね。私はワクチンを2回までしか接種してなかったんだけど、もうコロナも落ち着いてきたし、あまり外に出ることもないし大丈夫だろうと高をくくっていたので「まさか自分が」という感じだった。

もはやコロナは運ゲーということで。

ストリートファイターリーグの取材行けなくて残念だったなーと思うばかり。

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marin引退でSCARZ初期メンバー全員が競技シーンから姿を消す

突然の投稿でビックリしたのがmarin引退。私が初期にインタビューをした数少ない選手だったこともあって、個人的に思い入れもあった選手なのでちょっと残念。

これで、『VALORANT』リリース当初から活躍していた元SCARZメンバー全員が競技シーンから姿を消すことになる。ryouta-はコーチ、adeはストリーマーで活躍はしているから、厳密にはまだいるんだけどね。

当時のSCARZは本当に無双してた時期があったよね。思い出に残っているのは、エディオン主催の初オフライン大会「EDION VALORANT CUP(EVC)」でAbsolute JUPITERを倒して優勝したこと。当時はまだ珍しいメンタルコーチの導入とか、ゲーミングハウスでの共同生活とか、SCARZはほかのチームよりもかなり先取りしていた感はあったね。

私はまだまだeスポーツに関しては駆け出しだったから、無我夢中でシーンを追いかけていたのを今でも覚えている。EVCでは連日会場に行って、あまり知らない世界に四苦八苦していた気がする。でも、あの大会で岸さんに会ったり、先日亡くなってしまったリールベルトさんにあったり、DFMの梅崎さんにあったりできたのはうれしかったなー。ザたっちもいたしね(笑)。

▲グリーンヘアのdep。もはやレアなのでは!

今となっては誰が見るんだってくらい長文のレポート記事が懐かしい。

私は今の『VALORANT』の競技シーンも好きだけど、やっぱりリーグがない以前のシーンの方が好きだった。ZETA DIVISIONとCrazy Raccoonの2強チームがあって、ワクワクしながら国内シーンを見てた。その中で優勝したチームが今度は世界に挑戦ということで、ひとまず敵対していたチームのファンもその時ばかりは一体となって日本代表に選ばれたチームを応援。そこで勝ち取ったのが、あの世界3位なんだよね。

Crazy Raccoonはもちろん、時にはジャイアントキリングでNORTHEPTIONが世界に挑んだりと、次はどのチームが世界に挑むんだ? みたいなワクワク感があった。

今は、リーグになってZETA DIVISIONもDetonatioN FocusMeも毎年国際大会で戦うシーンが見られるのはうれしいんだけど、いかんせんかつての勢いがない。負けてしまう未来が見えてしまうのはファンにとってもしんどいんじゃないかな。応援したいけど、やっぱり負けてばかりだと滅入ってしまう。それはチームも選手もファンも同じ。日本チームの迷走感は否めない。

かといって国内シーンも混沌を極めている。ほとんどのチームがシーズンごとに大幅なロスターを変更。緻密な連携も取れないままなんとか戦っている感じ。それを体現したのが、2月に開催されていた国内リーグ「VALORANT Challengers Japan Split 1」。

優勝したのはRIDDLE ORDERで、出場チームの中で最もメンバー変更が少なかったチームだ。JoxJoの頭脳も相まって無敗で優勝。やはりチームメンバーはある程度固定化した方がいいという結果のように感じた。

かといって、国内の競技シーンで優勝しても優勝賞金は活動資金に比べたら微々たるもの。さらにかつてのように優勝したとて、世界に挑戦できるわけではない。世界に挑戦できる出場権を獲得するための大会に挑戦できるんだよね。道のりが長すぎる……。

RIDDLE ORDERやMURASH GAMINGのようなオーナーがストリーマーという特殊なチームはまだまだ余力もあるしメンバー固定化はしやすいと思う。ただ、ほかのチームはやっぱり出費が激しくてなかなか1年間同じ選手を抱え続けるのは難しいのが現状なんじゃないかな。1シーズンが終わるたびに契約解除を告げる「Thank you」の投稿が散見されるのはなんだか悲しい。私はこの現象を「1TY」(1season Thank you)と勝手に名付けている。

日本の国内シーンはとにかくこの1TY現象を食い止めないと、海外に太刀打ちできなくなっちゃうんじゃないかな。すでにVARRELやFAV gamingといった大手チームもVALORANT部門を解体している。

新しい風が見られる国内シーンとしては面白みはあるけど、勝手に心配している私がいる。

って眠れない夜に編集後記書いてたら、暴走しまくりんぐだわー。

まあざっくりいえば、今月から始まる国際大会「VCT Pacific」で日本代表は爪痕を残してくれーってところ。今年はなんといっても新星DetonatioN FocusMeに期待。Artの頭脳がエグい!