月一恒例の振り返り編集後記も6回目。今年も気がつけばもう折り返し。どんどん1日のペースが早くなってきている感じが否めない。6月はあんまり外の取材もなかったような気がするけど、それでも『VALORANT』の大会は国内リーグ、国際リーグともに盛り上がってきたね。
特に国内リーグは7月に有明GYM-EXで開催されるオフライン大会進出チームを決めるリーグ戦が幕を閉じ、現状はRIDDLE ORDERとSCARZが一足先にオフライン確定になった。

eSports Worldではインタビュー記事が公開予定なのでどうぞお楽しみに。
国際リーグは日本代表の不調が続く
日本代表としてZETA DIVISIONとDetonatioN FocusMeが出場している『VALORANT』の国際リーグVCT Pacificは第2ステージに突入。『VALORANT』の年間王者を決めるChampionsへの出場もかかっている大会でもあるので、日本代表には期待が高まる大会ではあるものの、日本勢は元気がない。
DetonatioN FocusMeは大きなチーム変更があり、実質Crazy Raccoonともいえるメンバー構成になってから、かなり雰囲気は変わったよね。なんかやってくれそうなオーラというか期待感が増えてきた。
一方で、ZETA DIVISIONはちょっと不安な印象が大きい。今年は全試合中4回ほど勝利しているけど、内訳を見ると🇮🇳Global Esportsに3勝に🇸🇬BLEEDに1勝と、この2チームにしか勝てていない。去年は勝てていた日本代表同士の戦いにも6月23日(日)の試合に負けてしまい、ZETA DIVISIONが勝って「よしっ!」ってなる日がなかなかやってこない。
試合を見ているとSugarZ3roのクラッチシーンとか、Depの冴え渡る連続キルとか震えるシーンあるのにも関わらず勝ちにつながらない——なぜなのか。
ZETA DIVISIONに必要なのは優秀なIGLか
まあここからは単なる私の戯れ言でしかないんだけど、ZETA DIVISIONはIGL不足なんじゃないかなー。いっときはLazがIGLをやっていたという話もあったけど、今は具体的なIGLがいないと思う。正直、LazやDepといった天才肌はIGLは向いていないだろうし、全体を俯瞰で見て自分の戦略をチームに伝達できるようなプレーヤーって、今ZETA DIVISIONにいるのかと思うとちょっといなさそうだよね。
自分たちの戦略が刺さらなかった時、もじもじしているように見えるのもそういった決断できるプレーヤーがいないからなのかもしれないし、仮にIGLがいても自信がなくてなかなか強気に出られないみたいな。
そこでcrowですよ。彼のIGLが具体的にどのように盤面を動かしていたのかは定かじゃないけれど、彼のサポート力はゲーム中でも確認できる。彼のような縁の下の力持ち的なプレーヤーが今のZETA DIVISIONには不足しているのではないだろうか。
私がcrow選手ってすごいって感じたのが、忘れもしない3年前のいつぞやの試合。忘れもしないといいつつ完全に忘れてしまう老化が憎い……。
画面上では目立ってないんだけど、なんかさりげない行動がめっちゃ味方をサポートしてる!
そんな漠然となんだけど、彼のすごみを垣間見たような気がした。

大会を見返しても思い出せなかった。私が最初に感じたシーンはアセントのBサイトからbarceとふたりで逃げる時にbarceを守りながら撤退していったシーンなんだよなー。あれいつのだろ……。
生粋のサポート役みたいなプレーヤー魂を感じたんだよねー。インタビューした時もそういったサポート力みたいなのを感じて、当時eSports Worldなんて、どこぞのメディアだよっていうくらい小さなメディアだったのにも関わらず、いつも「記事読みました! インタビュー楽しかったです。またよろしくお願いします」っていってくれたり——。

去年のRiot Games ONEでバッタリ会った時も「選手引退しちゃったからインタビューできなくなっちゃうね」って話したら「多分大丈夫ですよ!」っていってくれたり——。
「なんていい子なんでしょう」って単純に近所のおばさんムーブしてしまいそうなくらい思いやりがあるんだよね。
まあ、とはいえIGLってめっちゃ大変なのに目立たないし、目立つ時って試合に負けた時でしょ。スタッツだけで判断されては叩かれやすい存在でありながら、勝った時もさほど評価されないという悲しい立ち位置であるIGL。
抱えるものに対してのリターンがなさすぎて担当する選手も大変よね。
ここ最近はJoxJoや、Anthem、CLZといったIGLを担当している選手に話が聞きたくて、よくインタビューしているんだけど、彼らの話を聞くたびに大変さが伝わるというか。
配信でも実況や解説の人たちがIGLの功績を伝えているけど、もっともっと配信で取り上げてほしい。でも、VCの状況がわからないから、なかなか伝えるのも難しそうだよね。
再構築時間が必要なのか
ZETAは2021年にVCTのLCQ(敗者復活戦)を辞退したことがあるんだけど、一度がっつり再構築に時間をかけてもいいんじゃないかとも思える。現状のスケジュールだと、大会大会大会で、新しく再構築する期間なんて全然取れていないのかもしれない。

それはどのチームにもいえることなんだけど、現状のZETA DIVISIONはほかのチーム以上に再構築に時間がかかりそうだしね。
とはいえインターナショナルリーグの日本代表として選ばれている以上、そういった期間を作ることも難しそうだし、どうにかして勝利への軌跡を見つけてほしいところ。FPSタイトルは格ゲーと違って選手生命が短いから、Laz、Depの引退も時間も迫ってきているのも事実。
かつてのように、多くのメディアが彼らを取り上げる時代が戻ってきてほしいね。彼らは日本のVALORANTシーン、eスポーツシーンに大きな影響を与えている存在なのだから。