台湾のゲーム周辺機器メーカーのBrook(ぶるっく)から待望のレバーレス「Brook Fighter Starburst」が発売された。Brookといえば自作アケコン界隈ではおなじみのメーカーで、低遅延なアケコンが作れる基板「Universal Fighting Board(UFB)」が有名だ。

そんなBrookからレバーレスが発売されたのだから、性能は折り紙付き。今回は「Brook Fighter Starburst」の魅力をお届けしよう。
- マルチプラットフォーム対応
- ホットスワップ対応
- SOCD対応
- 低遅延
- 薄型軽量
- 天板のカスタマイズ◎
- 保護カバー付き
- カスタムボタンなし
- ライティングの個別変更不可
- レイアウトが左より
- ボタン配列の記載なし
- やや高額
なんといってもマルチプラットフォーム対応なのが大きい。対応機種はPS5、PS4、Xbox Series One X|S、Switch、PCと、現在主流のコンソールにほぼ対応している。使用機種を問わないのはうれしいポイントだ。
保護ケース付きなのにコンパクト!——持ち運びにも適したサイズ感が◎
まずは内容物をチェック。本体とUSBケーブル。肩掛け可能なストラップにメンテナンス工具とマニュアルが同梱されている。

特徴的なのはマグネット式の保護ケース一体型の本体だ。まるでiPadのようなケースは高級感があって◎。



特筆すべきはそのコンパクトさ。一般的な80%サイズキーボードよりも小さいので、持ち運びにも適している。オフライン大会や対戦会などに参加する人にとってもかさばらないのはうれしい。本体の重量は832g程度。マグネット付きのケースありで1kg未満はかなり軽めだ。

ファーストインプレッションは、まずボタンの間隔が広く入力しやすさを感じた。これは一般的なアケコンが30φボタンを採用しているのに対し、多くのレバーレスが24φサイズと、やや小さめのボタンを採用しているからか、アケコンに慣れているとレバーレスの配置に窮屈さを感じてしまうことが多かった。
しかし「Brook Fighter Starburst」はボタンの間隔が広めにレイアウトされているので、かなりボタンの入力は自然にできる。ただ、実測ではほとんど他社製レバーレスと変わらないのが不思議なところ。要は、ボタンの土台部分がないだけで、ここまで操作感が変わるというのは面白い発見だ。


実際にボタン部分の間隔はさほど変わらないのが分かる。干渉している土台の部分がレイアウトの狭さを感じたり、実際に土台部分が手にふれることで、窮屈さを感じていたのだ。
一方で、一般的なレバーレス配列が筐体を中心に中央にボタンが配置されているのだが、「Brook Fighter Starburst」はやや左よりになっているのが気になった。とはいえ、少しプレーしていればそのレイアウトも気になることはなくなったので、そこまで気にすることではない。
またカバー部分はスタンドとして変形可能で、キーボードのように2段階の角度をつけられるようになる。



この傾斜が地味に操作性を高めてくれる。特に普段キーボードに傾斜をつけている人は、この傾斜によってレバーレスの操作性が大きく変わるだろう。個人的に2段階はやり過ぎだけど、1段階はデフォルトの状態よりもかなり操作性がよくなった。手首に負担なく操作できるようになる感じだ。
1段階は保護シートのフタ部分を折り曲げれば完成だが、2段階目は反対側にある折り返しと組み合わせる必要がある。初見だと間違いやすく、直感でやろうとすると保護カバーごと剥がしかねないので要注意だ。


ロープロファイルキースイッチ採用でショートストロークな打感
「Brook Fighter Starburst」はキーボードのメカニカルスイッチを採用している。軸は「Kailh Choc v2 White Rain Switch」を採用していると思われる。静音性に優れたリニアタイプのスイッチなので、プレー中の音も静かだ。


このようにキースイッチを外すことができるので同じロープロファイルキースイッチに換装できる。キースイッチにこだわりがあるユーザーも心置きなくカスタムできるのだ。個人的にあまりロープロファイルキースイッチは使ったことがなかったので知らなかったのだが、通常のキースイッチとピンの位置が違うため互換性はない点には注意しよう。
打鍵音はこんな感じ。天板が小さいのが気になるかと思ったが、やはりそこはレバーレス。アケコンとは違い左右に動かすこともないので、このサイズ感でまったく問題なくプレーできた。むしろ傾斜がいい感じでかなり操作性は高し!
また一般的なボタンは中央が盛り上がっているタイプなのに対し、「Brook Fighter Starburst」のボタンは中央がへこんでいるタイプになっている。この辺もキーボードのキーキャップのようなデザインになっていて指にフィットしやすい。何よりコトコト系キーボードを彷彿とさせる打鍵音がかなり好みだった。

またボタンの材質はややマット調になっているのでサラサラしている。指にフィットしつつも手汗によるべたつきが抑えられるような質感になっているのは考えられているなあと感じた。
このキーキャップ。とにかく指にフィットしやすいので目押しコンボやピアノ打ちには最高なのだが、滑らし入力をする際は引っかかりを感じる。そういった入力を主としているプレーヤーは別のキャップに換装するのも視野に入れたい。なお、Punk Workshopの交換用ボタンキャップに換装もできるので、お好みに応じてボタンキャップを変えるのもアリ。
天板をカスタムして自分だけのオリジナルデザインを楽しもう
「Brook Fighter Starburst」の魅力のひとつが天板がカスタマイズできるという点。公式サイトに天板のテンプレートが公開されているので、お好みでデザインをしたらプリントアウトし、アクリル板の下に挟み込めばOKだ。
図柄紙テンプレートファイル:
https://www.brookaccessory.com/products/brookfighterstarburst/download/BrookFighterStarburst_PatternPaperTemplate.zip
デザインをしたテンプレートファイルをプリントアウトしたら、穴開けをしてアクリル板の下に入れよう。ボタンの数が多いので、穴開けにはかなりの労力がいるが、ボタン部分に関してはコンパスカッターがおすすめ。100均でも売っているが、切れ味が悪いと切れ目がギザギザになりがちなので、こだわりたいならしっかりしたコンパスカッターを買っておきたい。

デザインが完成しプリントアウトをしたら、いよいよ穴開け作業の開始だ。これが地味に大変で神経を使う作業だが、完成後の楽しみを糧にがんばっていこう。


ちなみにネジ穴の径は4.25 mm、メニューボタンまわりの径は5.75 mm、FNボタンの径は9.25 mmなので、下記のポンチセットがベストだった。安心の日本製なので切れ味もバッチリだ。穴開けはポンチの方が圧倒的に簡単できれいにできる。ボタン部分もポンチが用意できるならそちらで穴開けしてもいいだろう。
なお、30φの径は実寸27.75 mm、24φ部分の径は実寸23.25 mmとなっている。



お好みで何パターンか作って、気分で使い分けるといい感じ。ボタンキャップは互換製品ならばカラバリも多いので、さらなる作り込みも楽しめるかも!

各種機能について
「Brook Fighter Starburst」で使用できる機能は下記の5つ。これらの解説は公式のユーザーマニュアル(説明書)がかなり丁寧で、そちらを見れば問題なく設定できると思うのでここでは割愛する。

機能一覧
- 接続機器設定
- RGB LED設定
- 連射機能
- SOCD切り替え
- ジョイスティックモード
- タッチパッドシミュレーション
- ロック機能
個人的に残念なのはボタンのLEDを個別に変更できないところ。照明パターンを6パターンから選ぶことができるが、すべてのボタンを同じ色に設定することができない。

LEDはかなり発色がいいので、暗いイベント会場なんかではかなり映えるだろう。
なお、PC接続時のみ専用アプリでファームウェアをアップデートできる。ファームウェアは不具合の修正や新機能の追加などさまざまな恩恵が得られるので、購入時に確認しておくといいだろう。
まずは下記よりzipファイルをダウンロードしよう。
ファイルを解凍すると、いくつかファイルが表示されるので、「Brook Fighter Starburst_online.exe」をダブルクリック。アプリが起動したら、「Brook Fighter Starburst」をPCに接続しよう。




ファームウェアは頻繁に更新されるものではないが、たまにはPCに接続して確認しておこう。
まとめ
低遅延でコンパクトおまけに軽量と、「Brook Fighter Starburst」はかなり攻守バランスの取れたレバーレスといっても過言ではない。拡張ボタンはないものの上キーボタンの左右にL3やR3ボタンなど、『スト6』でほしい場所にボタンが配列されているので、特にストレスなくプレーできるのが強み。マルチプラットフォーム対応なので、PS5やNintendo Switchなど、さまざまなコンシューマー機で格闘ゲームをプレーするユーザーにも安心だ。
また、オフラインイベントに参加するユーザーにとってはこの軽さと保護カバーの組み合わせは重宝するのではないだろうか。ちなみに付属のストラップを本体に取り付ければ肩掛けも可能なので、対戦の順番待ちなどで煩わしさがなくなるのもうれしいポイントだ。
さらに天板カスタマイズでオリジナルのデザインが楽しめるのは個人的にイチ押しポイント。既存のデザインカバーを外せば無地のブラック仕様も楽しめるので、シンプルデザインが好きな人はあえて何もつけないのもアリ。
ちなみに日本限定でホワイトカラーが発売されている。ゲーミングギアを白で統一している人におすすめだ。