Elgato製のコンデンサーマイクやUSBインターフェースと組み合わせることで、PC内の音声を管理できるオーディオミキサーアプリWave Linkが3.0.0にアップデート。しばらくベータ版として公開されていたが、2026年3月4日(水)に正式リリースされた。
以前は対応製品必須だったWave Linkだが、3.0.0になったことでその制限が撤廃。誰でも気軽に楽しめるミキサーアプリとなった。UIが刷新され、さまざまなエフェクトが楽しめるWave Link。
こういったミキサーアプリというと、配信や動画製作で使うものと思われがちだが、普段のデスクワークにもかなり役立つツールとなっている。特にmacOSでの利用シーンが格段にアップしたので、そちらにフォーカスしてアップデート情報を紹介していこう。

刷新されたUIで視覚的にも使いやすさがアップ
以前からWave Linkを使っていたユーザーからすると、見た目が大きく変わっているので戸惑うかもしれないが、慣れればなんてことはない。むしろ使いやすくなっていることに気づく。ただし、現在macOS版、Windows版ともに英語表記のみとなっている。日本語にローカライズしてほしいところ。

例えば、ブラウザで聞いているYouTubeの音声はスピーカーから流したいけど、録音した音声データの確認なんかはヘッドホンで聴きたいなんて場合など、アプリごとに出力する先を変更することができるのだ。


なお、出力先を増やしたい場合は画面右上の+ボタンをクリックすればOK。不要になった出力先を削除するには、上記の画像にある「Delete this mix」をクリックしよう。管理するアプリを増やす方法も簡単。チャンネル一覧にある「Create channel」ボタンをクリックして、追加したいアプリを選択すればOK。

ただ、アプリを選択してチャンネルを作成しただけだと、あくまで1アプリに対して1チャンネルという構造になってしまい、管理が煩雑になってしまう。ひとつのチャンネルで複数アプリを管理する方法がおすすめだ。やり方は簡単。作成したチャンネルをクリックして追加したいアプリを一覧から選べばOK。

例えば配信で使う場合、「配信用ミックス」という名称の出力先を作成し、そこで配信に乗せたいチャンネルを指定しておくと便利。YouTubeで再生している音楽は配信に乗せないけど、ゲームや自分の声は配信に乗せたいという場合、自分のヘッドホンからはYouTubeの音楽は聞こえるけど、配信ではゲームの音と自分の声しか乗っていないというような切り分けができるのだ。

各チャンネルの出力先の追加や削除、ボリュームの調整も一覧から簡単に行える。一度使ったら手放せない便利さが無料で楽しめちゃう。
新たに追加されたメインアウトプット機能が超便利!
いろいろ出力先を選べるのはいいんだけど、たまーに別のデバイスで音声を聞きたいことがある。そういったときに便利なのがメインアウトプット設定だ。普段私はラジオやYouTubeなどの作業中に垂れ流している音声はMacBook Proのスピーカーから、インタビュー動画の確認やDiscordやZoomなどのオンラインミーティングの音声は、XLR Dockに接続しているヘッドホンで再生している。ただ、AirPods Proもたまに使っている。
AirPods Proを接続しているときはYouTubeも聞きたいし、Discordでも会話することもある、オンラインミーティングも行うことも……。かといってAirPods Pro用に出力先を作って、すべてのアプリを入れ込むと全部の音声が聞こえちゃって不便……。そこでメインアウトプットの出番。


出力先の一覧にある耳のアイコンをクリックするだけで、各出力先で再生されている音声をメインアウトプットでも聞こえるようになる。不要になったら再び耳のアイコンをクリックすれば元に戻るという仕組み。聞きたい出力先のアイコンをクリックするだけで、どの出力先から出ている音声もAirPods Proで聞こえるようになるのだ。
耳のアイコンをクリックしたままにしておけば、常にその出力先がメインアウトプットと連動するようになり、AirPods Proを接続すればすぐさま音声が聞こえるようになるのも超便利!
Wave Link 2.0環境では、こういったBluetooth機器のように接続や切断が繰り返される機器に関しては、その都度出力先からAirPods Proを選択しなければならなかったので、地味だけど大きな変更点だと感じた。
Apple Musicとの切り分けも◎
かなりニッチなのと、あまりWave Linkには関係ないんだけど、macOSの音楽再生アプリ「Apple Music」との切り分けも個人的には気に入っている。Apple Musicの音楽はHomePodから出力しているんだけど、Apple Music単体で出力先を変更できる。

音楽をノリノリで聴きたいときは重低音が効いてるHomePodで聴くといった環境はそのままに、Wave Linkでそのほかの音声を制御できるといった環境が整ったのはうれしい!
Stream Deck +との連携で操作性抜群に
いろいろ制御できるのはうれしいんだけど、毎回Wave Linkのアプリ上でスライダーを調整するのはちょっと面倒。そんな不満を解決してくれるのがElgatoデバイスの金字塔「Stream Deck +」だ。Wave Link プラグインを導入すれば、ダイヤルで各出力先のボリュームを調整したり、エフェクトをオンオフしたりできる。

マイクのボリュームや各出力先のボリュームを物理的なダイヤルで制御できるのは、やっぱり便利。ダイヤルを押し込んだり、タッチスクリーンをタップすれば瞬時にミュートにもできる。
また複数のゲームをWave Linkのチャンネルに登録しようとすると、ゲームを起動してはWave Linkを開き、追加したいチャンネルから起動しているゲームを選ぶ——みたいな作業を強いられるんだけど、Stream Deckがあれば、現在起動しているゲームをワンボタンで指定したチャンネルに追加することもできる。


ゲームを起動してからこのボタンを押せば、自動的にGameというチャンネルに追加される。なお、ゲームのタイトルによっては、登録したチャンネルの設定がすぐに反映されず、再度ゲームを起動することで出力が変更になる場合もある。設定後すぐに音が出ない場合はゲームを再起動してみよう。

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現在確認できている不具合など
非常に便利になったWave Link 3.0.0なんだけど、ベータ版から変わらず残っている不具合というか謎挙動があるのでいくつかまとめておこう。
自動起動しているふりをする
3.1.0で解決済み。
これはmacOS版特有の挙動なんだけど、Macを起動した際、Wave Linkも自動で起動するように設定すると(Wave Linkの設定でデフォルトでオンになっている)、確かに起動はするんだけど、まったく機能しない症状がある。面倒だけどMacが起動し終わったら手動で再度Wave Linkを立ち上げると直る。
空のチャンネルが作れない
これはmacOS版のみで、大きな不具合ではないんだけど、チャンネルを作る際、必ず何かアプリかマイクなどのデバイスを選択しないとチャンネルが作れない仕様になっている。一度、空のチャンネルを作ってそこに入れたいアプリを取捨選択するといった流れで作れないのはなんとなくもどかしい。
まあダミーで適当なアプリを選択してチャンネルを作ったら、そのアプリをチャンネルから削除すれば空のチャンネルは作れるんだけどね。ということで、アプリ単体でしかチャンネルが機能しないと勘違いしちゃう人も一定数いるんじゃないかな。
Discordの出力が直感的ではない
これもmacOS特有の問題のようだが、Wave LinkでDiscordを任意のチャンネルに入れても、そこで設定した出力先から相手の音声が聞こえない。


地味に不便だなあと思っていたんだけど、チャンネルにDiscord Helper (Renderer)という項目を追加することで、Discordから聞こえる相手の音声の出力先を設定することができた。専門的なことは分からないんだけど、とにかくこの設定で音声は管理できるようになったので一件落着といったところかな。

もっとシンプルに解決するなら、ブラウザ版のDiscordを使うこと。これならばブラウザに指定したチャンネルで音声管理ができる。
Wave Link 2.0環境で作成したチャンネルの残骸が残る
Wave Link 2.0.xから3.0.0にアップデートすると、Windowsのサウンド設定にある出力の一覧に、Wave Link 2.0.xで作成したチャンネルの残骸が残ってしまう。


残骸とはいったものの、名前が過去のものになっているだけで、実際にはWave Link 3.0.0環境でも使用しているチャンネルのいずれかに該当している。Wave Link 3.0.0側でチャンネル名を一度リネームすれば、Windows側にも反映される。


Wave Link 3.0.0で作成したチャンネルだというのが分かるようにチャンネル名を付けておけば、Windows側やOBSといったアプリで出力先を選択するときに迷わないのでおすすめだ。
まとめ
ということで新しくなったWave Link 3.0.0をレビュー。なくても困らないけど、あれば音声管理がグッと楽になるといったアプリ。特に配信では、配信に乗せたい音声を切り分けたり、音声にエフェクトを付けたりといった楽しみ方ができるのが便利で手放せなくなる。

先日販売されたWave Link用のプラグイン「Elgato Voice Focus」を使えば、Elgato製以外のマイクや相手の声など、さまざまな音声に強力なノイズカットを適用できる。

またElgato製のマイクとの連携はバッチリで、接続した機器の設定を細かく調整することができる。操作も直感的で分かりやすいので、Wave Linkが気に入ったらその流れで購入してみるのもアリ。

さらに便利に使いたければStream Deckもほしいところ。特にダイヤル付きのStream Deck +があれば音声管理がグッと楽になり、OBSやTwitchといった配信アプリなどとの連携もしやすくなる。まずは、無料のWave Linkを使ってみて、自分の環境に合いそうならば、Stream Deckの購入も検討してみよう。





