【仁王3 クリア後レビュー】不満が多かったのにやめられない理由――トロコン後に見えた“2周目からが本番”の正体

なんだかんだで『仁王3』をがっつりプレーして、クリア+トロコンを達成。序盤でのレビューでは正直“イマイチ”という感想だったけど、クリア後の評価はどう変わったのか。改めて自分の中での評価を可視化するためにも記事を書いてみた。

結論としては、なんだかんだで楽しい(笑)。時間が無限に溶けていくのを楽しみたければ買い。あと、過去作を愛してやまない「仁王」ファンも、いい意味でスルメゲーなので、長い目で見守れる時間と心に余裕があるなら買い。

んで、個人的な感想は「2周目からようやく仁王3の本編がはじまったか」という感じで1周目の不満は少しずつ消えていった。

ということで、改めて『仁王3』との違いや良かったところ、悪かったところなどを含めて書きなぐっていこう。

改めて思うオープンワールド不要説

ネタバレしない程度に本作のストーリーを解説すると、不思議な力を手に入れた主人公が、悪の元凶を断つべくさまざまな時代を行き来するというのが本編。つまり時代ごとにマップは異なるので、オープンワールドが複数ある感じ。1マップだけでもお腹いっぱいだっていうのに、そんなマップがいくつもあるなんて……。しかも、どんどんクオリティーが下がっているような作りにも感じるし。

それに拍車をかけて、そもそも『仁王3』のオープンワールドはかなりつまらない。結局本編をなぞらえなければならないので、実質一本道だし、基本的に狭い・暗い・穴多いのオンパレード。「えっ、どこがオープン?」ってくらい開放感がないんだよね。過去作は作り込まれた城内のギミックが楽しかったので、ただ広くなっただけのジャンプアクション探索は失敗かなぁと。「スーパーマリオ」じゃないんだから、そんなに落下死を誘発しなくても……。

▲とにかくジャンプさせたいマップの数々。もはや最大の敵は落下死

ただ2周目からはそういったストレスがかなり減る。これは自分自身の経験値によるマップの把握で、余計なところに移動しなくてもよくなるのと、1周目よりは敵の配置が多くなっている(まだまだ物足りないけど)ので、道中もちょっと楽しくなった感じ。

だからといってオープンワールドは本当にいらないと思う。基本的に一本道だし、点在する社(セーブポイント)に一度でも訪れてしまえば、社間でワープ可能だしと、オープンワールドのメリットはほぼない。

▲なんだかんだで行けないところが多いのが『仁王3』のオープンワールド。同じ高さの屋根でも、「ここは立ち入り禁止」とい意味合いで見えない壁に阻まれていることが多く、それならオープンワールドでなくて良くないかという疑念が残る

それでもかなりプレーしやすくはなっているのが『仁王3』のいいところ。アイテムの取り逃しが確認できたり、重要なアイテムだけがマップ上に表示されたりと、コンプリートを目指すのはかなり簡単になっている。

まあ便利すぎるから逆に作業ゲー感出ちゃうんだけどね。基本的に右上に表示されているアイコンを追いかけながら移動する時間が増えるよね。

暴発がストレスになった新しい武技コマンド

コマンド入力によって通常攻撃よりも強く、個性的なアクションが魅力の武技。前作まではガード+攻撃ボタン、または構えボタン+攻撃ボタンという組み合わせが主だった。ただし『仁王3』からは、左スティック(移動)+攻撃ボタンの組み合わせが主となっている。

▲こちらが前作の武技選択画面。基本的にボス戦ではガードを入力していることが多いので、割と直感的に武技を発動できた
▲こちらが『仁王3』の武技選択画面。左スティック前+攻撃ボタンや、左スティック後ろ+攻撃ボタン、攻撃ボタン長押しなど、コマンドが刷新された

これ、マジで誤爆しまくる。例えばガードしながら回避したいとき、微歩きから攻撃ボタン長押しなんていう状況の時に左スティック+攻撃ボタンの武技が暴発する。よけたいときに武技のモーションが見えて引っかかるとか、使いたい武技じゃない武技がでちゃって攻撃のタイミング遅れるとか……。

▲ちなみにキーコンフィグはかなり自由に変えられるようにはなっているけど、武技のコマンド自体は変更できない。個人的に守護霊技をガード+攻撃ボタンに割り当てているから、ついつい昔の操作方法が手癖になっちゃって、こちらも暴発してしまう

ただ、今回は通常攻撃の途中でキャンセルして武技が出せたり、「転心流撃の法」というスキルで攻撃後のスキを「転心」という技でキャンセルできようになったりと、かなり自由度は増した感じはある。

武技に関してはいままでの操作性で完成されていたのもあるので、ぜひアップデートで任意に操作にしてほしいなぁ。なんて思って、無理矢理昔の操作方法を再現するやり方に行き着いた。

▲実はキーボード+マウスの操作方法では、以前の操作方法のように「ひとつのボタンを押しながら別のボタンを押す」という操作法が実現できる
▲reWASDでパッド操作をすべてキーボード操作に置き換え、さらに競合しないよう元のパッド操作をすべて無効にする

ちなみに、Victrix PRO BFGのWindows版であれば、背面パドルにもキーボード操作を割り当てられるので、さらに操作性に自由が増す。「おおっ、これが前作やりこみ勢の救世主か!」なんて思っていたんだけど、時すでに遅し(笑)。

もう今の操作方法に慣れてしまっている上、操作法は過去作と同じだけど、構えなどの絡みで必ずしも同じ操作になるわけではないのでむしろ混乱することが判明。ひらめいた時はワクワクが止まらなかったけど実際やってみたら、忍術や守護霊技などの割り当てに苦しめられ、しっくりくるバインドができなかった。

まあただ暴発は避けられないので、もう少し柔軟に武技の操作設定ができたらうれしいなぁ。

「技研ぎ」によるオリコンが楽しい!

今回追加された「技研ぎ」という新システム。敵にダメージを与えたりすることでゲージが溜まり、ゲージが最大になると自動的に「技研ぎ」が発動。発動中は異なる武技を連続で出すことがで「技研ぎ」状態が維持されるといった仕組み。

基本的にボスは気力を0にすると、一方的に攻撃できるチャンスになるので、そういうタイミングで「技研ぎ」を発動すれば、気持ちがいいくらいにコンボをたたき込める。人型の敵に至っては、「技研ぎ」のコンボで一気に気力切れに持ち込めるのが楽しい。

「技研ぎ」発動中は、通常攻撃を出したり、同じ武技を連続で出したりすると「技研ぎ」が即終了なってしまう。なので、いかに複数の武技を使ってコンボルートを延ばすかがキモになっていて、これがまた楽しいんだわ。

▲ちなみに残心はもちろん、「転心流撃の法」を使っても、続けて武技を出せば「技研ぎ」は継続できる。刀の「逆風剣」のような攻撃後の硬直が長い武技でも「転心流撃の法」でスキを消してコンボを伸ばせる

「技研ぎ」のほかにも、サムライスタイルとニンジャスタイルといったふたつのスタイルが実装されたことにより、転心でスタイルを切り替えながらコンボを発掘していくのも面白そう。この辺はまだ未着手なので、もう少しやり込めたら試してみようかな。

ガード不能の掴み技オンパレードのボス戦は初見ではイマイチ

ボス戦は、直前ガードで発動する仁王版パリィともいうべき「捌き」により、いかに「捌き」を失敗させるかに注力したディレイ攻撃が多発。どんだけ溜めるんだよというくらい振りかぶった武器を下ろさないモーションには、呆れる以前に、「よくここまで溜めようと思ったな」と違う意味で関心しちゃう。

それに拍車をかけて、今回非常に目立つのがガード不能の掴み技。多分、全シリーズ屈指の使用頻度な上に非常によけづらいのが今回の掴み技だ。

▲全敵共通で掴み技はこの黄色いエフェクトと共に発動される。予備動作は確認しやすい

バカみたいなホーミング性能に移動距離を兼ね備えた理不尽ともいえる掴み攻撃に何度苦しめられたことやら。しかも、新たに追加されたジャンプアクションで交わそうものなら、空中にいても掴み判定が付いているため逃げれられやしない。

慣れてくればよけられるようにはなるけど、初見殺し感が満載なのはいただけない。せめて大技のように気軽に回避できればいいんだけど、それだと簡単に対応されちゃうから仕方ないんだろうな。とはいえ使用頻度多過ぎ。まさか空中を飛び回ってるランゴスタみたいな妖怪にまで掴み技が用意されているとは思わなかった(笑)。とにかくくどい。

ザコ敵ですら頻発してくる掴み技。こちらが動けない技を使おうものなら、そのボタン操作に反応してスーパーアーマー状態で無理矢理掴んでくるとか……。

ニンジャスタイルの忍術「空蝉」による掴み技対策があるので、手癖でパッと出せるようになれば、いよいよ忌まわしい掴みラッシュから解放されそう。

また、人型のボスは基本的に気力を奪ってたこ殴りというのがセオリーだったのを止めさせたいのか、気力の回復速度が異常なまでに跳ね上がり、気力切れを狙うのは難しい。

しかし、そんなセオリーをぶち壊したのが梶原景時という武将。なんと、初期状態からスーパーアーマー付きという理不尽な性能になっている。気力はモリモリ回復するわ、スーパーアーマーでひるまず無理矢理攻撃ねじ込んでくるとか、人型と妖怪のハイブリッドになっていて、本作屈指のクソボスとなっている。

▲ボスラッシュのサブミッションである「真白き旗の下」では、3人目に梶原景時が登場。今のところ、相手の大技に対して反撃してそのひるんでいる間に追撃するのがやっと……。最後に出てくる源義経がかわいいかわいい(笑)

まあそれでも2周目になると、こういったボスとの戦いが楽しくなる。なんでだろう……順応している自分がいる(笑)。

▲それでも以前のような気力切れラッシュを仕掛けられるのはボス戦の魅力。「技研ぎ」のエフェクトも相まってプレーヤーが気持ち良くなれる瞬間だ

サムライスタイル、ニンジャスタイルによる装備過多——面倒が増えたハクスラ

新システムとして採用されたサムライスタイルとニンジャスタイル。今まではステータスの振り方で侍らしいプレースタイルにするのか、忍者、陰陽術をメインとしたプレースタイルにするのかを選んでいたが、今作はスタイルそのものが追加された。これによりニンジャスタイル時は忍術や素早い立ち回りが、サムライスタイル時は「仁王」シリーズらしい従来の立ち回りが楽しめるようになった。

▲各スタイルは「転心」という行動で気軽に切り替えることができる。攻撃をキャンセルしながら「転心」すればシームレスに攻撃を続けられる

まるで別キャラになったかのようにモーションや使える武技などが異なるので、スタイリッシュアクションが楽しめそう。ただ、大きな不満点は装備品だ。

▲スタイルごとに用意された装備スロット。それぞれ専用の武具しか装備できず、遠距離武器を除き、武具をスタイル間で共有できない

つまり頭から脚まで一式、侍用と忍者用を用意しなければならないのだ。さらに同じ武器なのに侍用と忍者用があるため、非常に分かりづらい。そして面倒くさい。せめて同じ名前の装備は共用できるようにしてほしかった。

その分、入手するアイテムの抽選の幅も広がるため、ほしい武器や防具がなかなか手に入らない。「仁王」シリーズといえば、道中で手に入れた武具で好みの装備を調えていくハクスラ(ハックアンドスラッシュ)要素があるのだが、1周目はほぼ機能していなかった。ひとつずつ内容を確認するのも面倒なので、まとめて分解して素材にするだけ……。

2周目になると、狙った装備品がドロップしやすくなる機能が追加されるため、ハクスラ要素がようやく楽しめる土台になったという感じ。敵を倒して手に入れた装備品を装備してはパワーアップを体感できるのは2周目。1周目はほとんど装備を変えずに進めてしまった。

管理が面倒になっただけ感は否めないけど、スタイルを切り替えながらコンボを楽しむことができるのはうれしいポイント。敵に張り付いてヒットアンドアウェーをしながら攻撃しまくるみたいな戦術が楽しめる。

出だしは良かったストーリーは……

あまりネタバレはしたくないので、さらりと書くけど、ストーリーはイマイチだった。というのも時代を超越して各時代の事件を解決していくというコンセプトはいいんだけど、それ故にひとつひとつの時代に関するストーリーが唐突+薄いのであまり感情移入できない感じ。「お助けマン登場!」からの「よし平和になったな。次の時代にいくぜー」みたいな(笑)。

マップに点在する強敵も「弓の名手と呼ばれた私がお相手しよう」みたいな、歴史に詳しい人ならクスリとくる場面なのかもしれないけど、歴史に疎い私は終始「誰こいつw」で終わっていた。

んでストーリーが進むにつれて、「これ、無双OROCHI」じゃんってなってくる。三国時代と戦国時代の武将たちが時代を超えて対峙、共闘するみたいな、まさにそれ。ラスボスとか声のエフェクトも相まって、もう遠呂智しか見えなかった。

結局お遊戯感でちゃってるし、もうちょっと戦国時代ならではの血なまぐさい、シリアスよりになってほしかったなーと個人的には思う。「仁王」シリーズも「戦国無双」シリーズも初代はものすごくシリアスだったんだよね。それがシリーズを重ねるごとにコミカルになっていった。個人的にそういう流れは好みではないので残念ポイントだったかなぁ。

ちなみに、日本版『仁王3』は、おま国設定になっていて、人型を倒したときに頭部や腕がぶっ飛ぶといった欠損表現がデフォルトでオフになっていて、さらに設定を変更することはできない。そういった部分も含めてシリアスさが減ってしまった感は否めないね。ちなみに欠損表現のオンオフは、Steam版ならばファイルの書き換えで表示できる。どうしてもやりたい人はググってみるといいかも。

気になる画質は設定を見直すことで完全回避!

『仁王3』をプレーし始めたとき、ザラザラの画質、荒く見えるキャラクターなど、画質に不満があった。とにかく設定で高画質にしまくったら、今度はフレームレートが落ちてしまい、プレーが楽しめない。今作はフレームレートを240fpsまで設定できる良ゲーなので、できれば120fpsくらいは出してプレーしたいところ。ちなみに一度120fpsを体験してしまうと60fpsは紙芝居に見えてしまうくらい120fps環境は快適。

3440×1440のウルトラワイド環境で、画質もパフォーマンスもいいとこ取りしたい環境を試行錯誤していたところ、自分なりにいい感じの設定に落ち着いた。念のため使用PCの主なスペックを記載しておくので、同じような環境で設定に悩んでいる人がいたら参考にしてほしい。

■PCスペック
CPU:AMD Ryzen 7 9800X3D
GPU:Sapphire NITRO+ Radeon RX 7900 XT 20GB
メモリ:32GB (16GB × 2) DDR5-5600 MT/s (EXPO)
マザーボード:GIGABYTE B850 AORUS ELITE WIFI7
モニター:Dell AW3423DWF (3440×1440 / 165Hz)

特に動作に左右する項目は、解像度詳細設定にある「レンダリング解像度」。100%だと100〜110fps前後で揺らいでしまうため、85%程度に落として固定化。「アップスケーリング方式」はXeSS V2.0を選択。FSR 3.1よりも処理がきれいに見えた。次いで、「フレーム生成」をFSR 3 Frame Generationにすることで劇的にfpsが上昇した。

また「画面の設定」→「詳細設定」にある項目で、特に大きくパフォーマンスに影響していたのがグローバルイルミネーションだ。最軽量にすることで動作はかなり軽くなるが、その分全体的に画質がチープになってしまう。最低でも低品質にすることで、見た目がガラリと変わるので、お好みで低品質にしておくといいだろう。軽さ重視なら最軽量一択。

まとめ

最初は不満も多かった『仁王3』だけど、なんだかんだで楽しんでます。というかガッツリ楽しんでるといった方がいいよね。期待していただけに、改善点やこうしてほしいところが目立っちゃうけど、なんだかんだでナンバリング最新作だしね。やっぱり、理不尽で高頻度な掴み技、前回できていたことができなくなったことによるストレスでファーストインプレッションはイマイチだったのかも知れない。

ただ、やりこめばやりこむほど『仁王3』の良さに気づく。とにかく「捌き」や「技研ぎ」が面白いのと、2周目は敵の体力も大幅に増えてきているので、いよいよ楽しくなってきたーみたいな。さらに、スキのある武技を「使役符キャンセル→しゃがみキャンセル」という謎のキャンセル行動で連発できるようなテクニックが見つかり、「Devil May Cry」シリーズのようなコンボが楽しめるのかーといったところ。いやー、誰が最初に見つけたのか——。すごい着眼点だよね。

武技や通常攻撃をキャンセルして使役符が出せるスキル「使役流連の法」を装備すると、使役符を使用した直後にしゃがみ歩きをするとすぐに行動できるようになる。使役符が出切る前に攻撃やジャンプをすれば使役符を使用することなく行動が可能になる。なんというロマン(笑)。

ただ、アイテムの使用に関しては若干不満は残る。具体的には回避や残心をしてからすぐにアイテムを使用できない。かなり間を開けないと操作を受け付けないのだ。前作は回避後すぐにアイテムが使えたので、この間がすごいストレスになっている。

ニンジャスタイルが爽快で空中コンボを楽しんだり、いろいろできることが増えているので、アイテムの使用タイミングだけは前作に合わせてほしいかな。ニンジャスタイルなめてたけど、かなり楽しいかもー。

ということで、オープンワールドといった広大なマップを作ったんなら、そこら中に穴を掘るじゃなくて、強力な敵やボスをもっとちりばめてくださいね。コーエーテクモさん!

あと、スキルポイント足りなさすぎて魅力あるスキルがほぼ使われないまま終わってるので、周回でスキルポイント増えるようにしてください!

©コーエーテクモゲームス

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